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ウムフィルムの性能

ウム・フィルムの性能についてご説明します。

1. 透過率変化

Graph T-Volts.jpg
図1 平行光線透過率、ヘイズ率、全光線透過率の印加電圧依存性

Graph Tp-Temp.jpg
2 平行光線透過率の温度依存性

 

ウム・フィルムの最大の特徴は、瞬時に透明・不透明を切り替えられることにあります。その度合いは平行透光線過率Tpやヘイズ率(曇り度合)Hzを測定することにより数値化することが可能です。

図1に示すように、電圧が印加されていない状態では、数%Tp 90%近いHzを示し、不透視となります。印加電圧の上昇に伴い、 Tpは高く、 Hzは低くなって、透視状態になっていきます。AC100Vが印加された状態では、Tp70%Hz7%を示します。しかしながら、透過した全光線の透過率は印加電圧に対してほとんど変化しません。印加電圧に対して、透過した光線の拡散度合いだけが変化しているためです。

また、大面積で使用されるため、視野角依存性が少ないのも重要な性能の一つです。

2. 応答速度

 

透視・不透視の切替は瞬時に可能です。不透視から透視へは約1000分の1秒、透視から不透視へは約100分の1秒で変化します。応答速度は液晶材料やカプセル径などのNCAP層を構成する要素により変えることが可能です。不透明から透明へは、電圧を高くすることにより速くすることが可能です。

3. 消費電力

 

NCAP層は絶縁体なのでほとんど電流は流れません。ウム・フィルムに電圧が印加されると、透明導電膜に電流が流れ、NCAP層に電界が生じます。それによって液晶が動作する電界駆動型の素子であるウム・フィルムは、数W/m2の消費電力しかありません。

4. 温度特性

ウム・フィルムは建築用の合わせガラスとして外装使用されることから、広い温度範囲で瞬時に透視・不透視を切り替えられることが要求されます。電圧を印加していない時(OFF時)と100V印加した時(ON時)の平行透過率Tpの温度依存性は図2に示すようになり、-40+100℃の広い範囲で動作します。室温での性能が維持できるのは、-20+60℃の範囲となります。

このような温度変化は液晶の性質によるものです。高温では複屈折性が低下していくためにOFF時のTpが高くなり、その変化幅が小さくなっていきます。そして、ある温度で液晶が通常の液体と同様になるため、Tpは変化しなくなります。また、低温では、液晶の粘性が増加するため液晶分子が動きにくくなることによってON時のTpが低下し、その変化幅が小さくなります。



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