「NCAPは1981年にJ.L.ファーガソンにより発明されました。そのライセンスを取得した米国の化学メーカー・レイケム社が、NCAPをディスプレイや調光素子として市場に普及させるためにタリック社を設立しました。1986年、日本板硝子株式会社はNCAPフィルム(現在はウム・フィルムと呼んでいます)を使って合わせガラス構造の調光ガラスを商品化すべく、タリック社と共同開発を開始しました。タリック社では、合わせプロセスに適合するようなウム・フィルムの開発を、日本板硝子株式会社ではその性能が十分発揮できるような合わせガラスプロセスの開発を担当しました。その結果、建築用の外装窓としての耐久性を持った、大面積で均一に透明・不透明を瞬時に切り替えられる調光ガラスが完成しました。その後、ウム・フィルムでは、基本性能として特に電圧印加時の透明性の改良とプロセス改良によるコスト低減を、そして、ウムでは合わせの中間膜やプロセスの変更によるコスト低減を進めてきました。1994年、タリック社から技術開示を受けてウム・フィルムの生産も日本板硝子株式会社で開始し、上記改善をさらに進めた結果、現在では、当初の販売を始めた頃に較べ、電圧印加時の透明性はヘイズ率で約半分に、またコストも約半分になっています。
1997年4月には、日本板硝子ウムプロダクツ株式会社ウムプロダクツ株式会社が設立され、ウムフィルムおよび調光ガラス「ウム」の製造および技術開発を一貫して行う体制が確立されました。
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